私たちの使用している巣箱は、「重箱式巣箱」と呼ばれる巣箱です。重箱式巣箱は、日本蜜蜂の飼育者の中でも圧倒的に採用者の多い巣箱です。ここでは、京都ニホンミツバチ週末養蜂の会で使用している重箱式巣箱の作り方を紹介します。

これから始めるに、重箱式巣箱をオススメする理由

私たちは重箱式巣箱をお勧めします。その理由は、作るのが簡単で、管理が楽で、巣箱の設置以外はほとんど手間がかからず、採蜜も行いやすいからです。商売ではなく自家消費目的なら重箱式でも十分な量のハチミツが採れます。

また、趣味でニホンミツバチを飼育する多くの人が、重箱式巣箱を使用しています。インターネット上に参考となる情報も多いです。このような理由から、まずは重箱式巣箱で捕獲にチャレンジすることをお勧めします。

重箱式以外の巣箱を作りたい方

私たちは重箱式巣箱を中心に使っており、他にも一部巣枠式や丸洞式巣箱を使っていますが、作り方をご紹介するほどではありません。

他のタイプの巣箱での作成を考えられている方は、ぜひニホンミツバチのQ&Aで質問してみてください。ニホンミツバチのQ&Aには、全国各地の、様々なスタイルの巣箱で飼育を行っている方が集まっています。

重箱式巣箱の構造

重箱式巣箱は、同じ形の箱(底と天井がないので、正確には枠?)が積み重なっています。動画で巣箱の紹介をしています。

巣箱の紹介動画

巣箱の組立動画

それでは、それぞれの部分の紹介をしていきます。

鉄製台

次に、巣箱の下側の部分の説明に移ります。重箱式巣箱は巣箱の下に巣門(すもん)と呼ばれる出入り口があります。巣門が地面と同じ高さにあると、すぐに草で覆われてしまいますし、雨水が入りやすいなどの問題があります。そこで、巣箱を台の上に載せて、巣門を地面から数十cm高い位置にします。

京都ニホンミツバチ週末養蜂の会の台の材質は鉄で、コンクリートブロックを重りとして使用できるようになっています。箱の上にオモリを乗せている巣箱の写真を目にします。しかし、箱の上にオモリを乗せると、重心が高くなり、強風で倒れやすくなります。台にオモリを乗せて、ロープで巣箱を固定するほうがよいと思います。

ビール瓶のケースなどを台にする人も多くいます。私たちは自作の鉄製台を使っていますが、鉄製台の準備が間に合わなかったときなどはコンクリートブロックを台として使用しています。ビール瓶のケースやコンクリートブロックを台に使っても問題ありません。私たちが鉄製台を使うのは、機能性を重視するからです。

台の役割は安定性を確保するだけではありません。巣箱の中の様子を点検しやすくするためにもこのような台を使います。鉄製台の細かい部分は次の動画で確認してください。

新型鉄製台

2012年8月から、新型台に移行しました。ニホンミツバチの失敗例の大部分を占める、暑さ、オオスズメバチ、スムシに強い構造になっています。

・特徴1 暑さに強い
京都ニホンミツバチ週末養蜂の会の長年の経験から、巣箱の中が高温・多湿になることが望ましくないということが分かってきました。特に、2010年の猛暑では、多数の群れが暑さが原因で逃亡しました。新型鉄製台は、四方から出入りできるので換気に優れており、暑さに強いです。

特徴2 オオスズメバチに強い
巣門(巣箱の入り口)の高さはもちろんオオスズメバチが入れない高さです。しかし、巣門が1カ所だけだと、オオスズメバチが巣門の前に集合し、ニホンミツバチが出入りができなくなります。オオスズメバチは巣門をかじり、なんとか巣箱の中に入ろうとします。

このような強いストレスにさらされると、ニホンミツバチが逃亡してしまうこともあります。新型鉄製台には巣門が四方にあるので、オオスズメバチが巣門に集まっても、ニホンミツバチはオオスズメバチのいないところから出入りできます。また、オオスズメバチが巣門をかじるとき、主に上側をかじるのですが、新型鉄製台は巣門の上側が鉄なのでオオスズメバチはかじれません。オオスズメバチはそのうちあきらめて巣に戻っていきます。

特徴3 スムシに強い
ニホンミツバチにとって、巣をエサとする蛾の幼虫のスムシは天敵です。重箱式巣箱では、スムシの発生を防ぐため、底板の上に貯まった巣カスの掃除が必要になることがあります。新型鉄製台は、底板の上の風通しがよく、巣カスが貯まらないので掃除は不要です。

底板

底板は、鉄製台の上に乗せる板です。重箱には底がないので、このような板が必要となります。耐久性はそれほど求められないので、合板でも問題ありません。下の写真のように、鉄製台にぴったり合うサイズを用意します。板厚は12mmです。鉄製台を使わない場合は、巣箱より大きければ、どのような大きさでも問題ありません。

巣門枠

巣門枠は、巣箱の出入り口を作るための枠です。重箱を底板に直接乗せると、出入り口がなくなります。そこで、巣門専用の部品である巣門枠を用意し、底板の上に巣門枠を置き、さらにその上に重箱を置きます。巣門枠は、重箱と縦と横の寸法は同じで、外側290mm四方、内側が220mm四方です。高さは重箱の3分の1の50mmです。高さはそれほど重要ではありません。30mmでもいいですし、70mmでも問題ありません。

枠の下側を削ることで巣門を作ります。巣門の高さは7mmです。これは、夏から秋にかけてニホンミツバチの巣箱を襲撃するオオスズメバチ対策です。ニホンミツバチは自由に通ることができ、オオスズメバチは通ることのできない高さにします。

巣門の幅は、ある程度広いほうがよいです。目安として、100mm以上確保します。巣門が狭いと渋滞が起こります。また、気密性が高くなりすぎるので、暑さと湿気に弱くなります。特に夏場は、巣門が小さすぎるとよくありません。

巣門の部分の作り方は、次の動画を参考にしてください。

重箱式巣箱の寸法の紹介 巣門の部分

重箱

巣門枠の上に、下の写真のような箱を載せます。寸法は、外側290×290×150mm、内側220×220×150mmです。杉板の厚さは、35 mmです。

一般には販売されていない厚さですので、特注してもらっています。ただ、板の厚さについてもいろいろな意見があり、本によっても違います。「我が家にミツバチがやって来た―ゼロから始めるニホンミツバチ養蜂家への道 」という書籍では、「板厚は25mmのものを使用している。断熱効果を考えると最低20mm以上必要で、30mmを超えるとコストが高くなり、巣箱が重くなって持ち上げにくくなる。」と書かれています。

いろいろな板厚で飼育されている方がいるのですが、少なくとも10mm程度では、薄すぎると感じています。薄すぎると、スムシというミツバチの巣をエサとする幼虫に巣箱に穴をあけたときに、板を貫通させられることもあります。また、オオスズメバチは巣箱をかじって中に侵入しようとします。薄い板を使うと食い破られてしまうことがあります。

詳しくは次の動画をご覧になってください。

十字に取り付けられている針金は、巣が自重で落下してしまわないためのものです。このような棒は、落下防止棒などと呼ばれ、一般的に重箱式巣箱に取り付けれています。この部分の作り方は、3つの動画を使って説明しています。次の動画をご覧になってください。

重箱式巣箱の寸法の紹介 

重箱の組立の様子-1

重箱の組立の様子-2

まず、長さ4000mmの板を、255mmずつ切断します。幅150mm、長さ255mm、厚さ35mmの板をたくさん作ります。このとき、スライドノコという機械を使用して正確に切断しています。幅150mm、長さ255mm、厚さ35mmの板に直径3.2mmの穴をあけます。

右の3つ縦に並んだ穴は、木ネジを貫通させるための下穴です。中央の穴は、巣落ち防止棒用の穴です。まっすぐ穴をあける必要があるため、ボール盤を使って穴をあけています。木ネジは、縦に3つあらかじめ開けた下穴を利用します。力がかなり必要なので、インパクトドライバーがなければ、木ネジで固定できません。。もしお持ちでない場合は、釘で代用されるとよいと思います。

板の向きは、木裏(木の中心部)を外側にすると、気温の変化木の水分の変化による変形が抑えられます。以前は木表を外側にしていましたが、2008年ごろから木裏を外側に統一しました。

天井部分

最上段には、スノコの板と天井板を取り付けます。

下の天井部分の構造図の、黄色の部分がスノコ板です。スノコの板を取り付けるのは、採蜜をしやすくするためです。スノコの板の作り方は、次の動画を参考にしてください。

重箱式巣箱の寸法の紹介 スノコの部分

動画でも説明していますが、動画に出てきた寸法の意味を書いておきます。

板幅:30mm
板幅は材料などの関係から、25~40mm程度の板を使っています。だいたいの寸法でよいのですが細いと、枚数が多くなって組み立てが面倒になります。

板の間隔:6mm
ミツバチが自由に天井裏に移動できることが条件です。6mmより少し狭くても通過できるのですが、組立の精度も考えてこのくらいにしています。少々広くても問題ありません。

縦向きの板の位置:適当
この板は板を固定しているだけですので、場所はおおまかで結構です。

板厚:5mm程度
天井裏が広くなりすぎると、そこに巣を作ってしまう可能性があります。また、天井板も高くなり、不格好になります。ニホンミツバチが自由に移動できる高さ以上にする必要はありません。

スノコ板に使用する木ネジはステンレス製を使ってください。板から飛び出ないように短めの木ネジを使います。天井板は、スノコの板と干渉しないようになっています。

天井板の作り方は、次の動画を参考にしてください。

重箱式巣箱の寸法の紹介 天井の部分

↓天井板に金網の取り付ける

屋根

雨を避けて巣箱の腐食を抑えるために、最上段の上に屋根を乗せます。トタンの波板を乗せて屋根にする人も多く、それでも特に問題はありませんが、私たちは機能性を追求し、次のような屋根を使用しています。

作り方を説明します。まず、最上段にぴったり合う大きさで、木の枠を作ります。次に、トタン板(平板)を曲げて、木の枠に釘で打ち付けます。耐久性が優れているのでトタン板を使用していますが、2枚の木板を組み合わせて屋根を作っても問題ありません。釘の部分から雨漏りするので、シリコンで隙間を埋めます。シリコンは一般的に水回りに使用されているものを使用しています。

日除け板

直射日光によって内部が暑くならないように、夏は巣箱に板を張り付けます。ニホンミツバチは巣の内部が高温になると逃げだすことも多いので、ぜひ取り付けてください。

簡単でしたが、ニホンミツバチの重箱式巣箱の作り方をご紹介しました。

これを参考に巣箱を製作してみて下さい。

重箱式巣箱に関する質問はニホンミツバチのQ&Aで聞いてみよう

巣箱に関する質問は、初心者のためのニホンミツバチのQ&Aに、たくさん既存のものがあります。
ぜひこちらも参考にしてください。

巣箱を作れない方向けの販売のご案内

「自分では巣箱を作れない!」という方のために、巣箱を販売しております。詳しくは、こちらまた、巣箱に付いてくる京都ニホンミツバチ週末養蜂の会の教材「これならできる!ニホンミツバチの週末養蜂」では、さらに詳しく巣箱の作り方を紹介しています。これならできる!ニホンミツバチの週末養蜂について詳しい商品情報はこちら

巣箱の作り方がわかったら

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