ニホンミツバチを捕獲するために重要なキンリョウヘン。キンリョウヘンについての概要、入手方法、育て方について説明します。キンリョウヘン自体について知りたい方は別のページでじっくり解説していますので、キンリョウヘンとはをお読みください。

キンリョウヘンの栽培は難しい?

キンリョウヘン(金稜辺)の栽培は難しいのでしょうか?寒さに強く丈夫なので他の蘭に比べ育てやすいですが、これまで経験がない人は少し難しいと思っておいてください。また、ページの下でも紹介していますが、東北ではキンリョウヘンの栽培が難しいという声を聞くことが多いです。

キンリョウヘンの栽培方法は、シンビジウムの栽培方法とほぼ同じです。キンリョウヘンはニホンミツバチを飼育する人以外は見向きもしませんが、シンビジウムは人気のある品種なので育て方の本はたくさん出版されています。シンビジウムの本などを参考にしながら育ててください。

キンリョウヘンの栽培に自信がないなら、待ち箱ルアーを使おう

キンリョウヘンの栽培に自身がない方は、キンリョウヘンの誘引成分を化学的に合成した製品の待ち箱ルアーを利用することをお勧めします。待ち箱ルアーなら購入して開封するだけで簡単に使用することができます。

次の写真は、待ち箱ルアーを取り受けた巣箱に、ニホンミツバチが入居する時のものです。巣箱についている白い丸いものが待ち箱ルアーです。

キンリョウヘンは安くはないですし、育てる労力もかかります。最初は無理せずに待ち箱ルアーを使い、巣箱作りなどの準備に集中するのが良いでしょう。
待ち箱ルアーはキンリョウヘンがうまく咲かない時の保険にもなります。

=> 待ち箱ルアーについて詳しくはこちら

地域差に注意しましょう

京都ニホンミツバチ週末養蜂の会は京都府で活動しています。私たちがキンリョウヘンを育てているのは京都府の日本海側の気候です。冬には30cm程度の雪が積もることが度々あります。冬は曇りや雨、雪の日が多く、太平洋側と違って空気があまり乾燥しません。また、冬に限らず昼夜の寒暖の差が激しいです。ですのでここで書いた方法は、日本全国で通用するわけではないことをご了承ください。

例えば、冬の水やりの頻度は、乾燥しがちな太平洋側より、湿潤な日本海側のほうが少なくて済みます。このように、地域によって適した栽培方法が異なります。インターネットで他の人の栽培方法を参考にするときや、他の地域の人に質問するときは、地域の違いを考慮してください。なお、市販の本は、太平洋側を想定してかかれていることが多いので、日本海側の人は注意が必要なことがあります。

春の育て方

うまく行けば、春にはキンリョウヘンが咲き乱れます。

・置き場所
まず、地植えでのキンリョウヘンの栽培は難しいです。地植えではなく鉢植えで育ててください。ソメイヨシノが散ると屋外で栽培します。冬は屋内で栽培していますので、いきなり屋外に移動すると葉が日焼けしてしまいます。遮光を行うか、日当たりのやや悪い場所に置くなどし、目安としては1、2週間をかけて明るさに慣れさせてから、日当たりのよい場所に移動させてください。

雨のはねあげや病害虫予防 特に夏の輻射熱を防ぐため、また、涼しい環境を好むため鉢の周りの風通しを良くするために、次の写真のような台に乗せて栽培すると良いです。

・水やり
屋外で屋根がないところでは、雨が降るので水やりはそれほど必要ありません。4月から梅雨までは、晴天が続いて鉢の中が乾いたら、鉢の底から水がしたたるくらいたっぷりと水を与えてください。雨の降る日が多い梅雨の間は、自然に任せておきます。水の与え過ぎは根腐れの原因となります。

・花について
花芽がついていれば、徐々に成長していき、葉と近い高さまで伸びた後、花が咲きます。何もしなければ、花芽は下向きや横向きになるので、支柱を立ててビニタイでゆるめに支えてください。無理にまっすぐにしようとすると、花芽が折れることがあるので一度に行わず、時間をかけて徐々に行うと良いです。

・葉芽について
花芽とほぼ同じ時期に新しい葉芽が出てきます。1つのバルブ(根元の膨らんだ部分)に複数の葉芽があると、葉芽やバルブの成長が悪くなり、花芽ができにくくなります。そこで6月頃に各バルブに1本ずつ残して、残りの葉芽は摘み取ります。なお、摘み取る時期は多少前後しても大丈夫です。

夏の育て方

・置き場所
真夏は日差しが強いので、葉が日焼けしないように遮光を行います。目安として50%程度の遮光をしてください。また、キンリョウヘンはもともと涼しい地域の植物です。最高気温は30度以下が望ましく、理想は25度くらいの場所がよいです。

・水やり
真夏は雨が少なく、日差しもきついので、毎日たっぷりと与えます。植木鉢の周りにも散水して地温を下げるようにします。梅雨明けから9月になり秋風を感じる頃までこれを続けてください。

・肥料
梅雨明け以降、夏場は肥料を与えないでください。

秋の育て方

・置き場所
霜が降りるまでは、夏に引き続き屋外に置いてください。秋風を感じる頃になると、日差しも弱くなってくるので、日除けを徐々に取り除きます。なお、台風のときは屋内に避難させてください。

・水のやり方
秋風を感じる頃までは毎日水を与えてください。その後は気温も下がって雨も多くなるので、春と同様に水やりはあまり必要ありません。徐々に水やりの回数を減らしていき、晴天が続いて鉢の中が乾いたら、たっぷりと与えるようにしてください。

・肥料の与え方
秋風を感じる頃になったら、肥料を与えてください。基本的には春と同じですが、この頃はカリウムやリンが多く含まれる肥料を与えると効果的です。

晩秋から冬の育て方

・置き場所
霜が降りる頃には直接霜に当たらない、軒下などの屋根のある場所に移動して寒さを経験させます。次の写真は、縁側で霜が降りる時期に栽培しているようです。

ポイントは、霜が降りる時期まで屋外で栽培することです。少し寒くなってきたからといって、霜が降りるよりも早い時期に暖かい屋内に移動させると花が咲きません。翌春に花を咲かせるために、寒さを経験(休眠打破)させる必要があるのです。

ただ、屋根がない場所で霜に直接当たってしまうと凍傷になり、枯れてしまうことがあるので注意してください。

霜が降りたら、屋内に移動させます。日がほとんど当たらなくても構いません。玄関などの暖房がされていない屋内で育ててください。暖房がある部屋で栽培すると、分蜂よりも早い時期に花が咲いてしまいます。最低気温が14度以下になる所を選んでください。最低気温が14度以上の場所はつぼみが成長しないで落下することがあります。

次の写真は玄関での栽培の例です。なお、右側の大きなものはキンリョウヘンではない別のランです。

・水のやり方
この頃は、水はほとんど与えません。目安として、私たちは2、3週間に一度与えていますが、太平洋側はこの時期乾燥するので、もう少し高い頻度で与える必要があると思います。鉢の中が乾いたら、1日置いて水を与えてください。水は鉢の下から少し流れ出て来る程度の十分な量の水を与えてください。ただし、鉢皿に水を貯めてしまうと根腐れを起こしてしまいます。鉢皿に貯まった水は捨ててください。この時期は、水の温度にも気を付けます。冷たい水を与えると根を傷めてしまうからです。屋外のバケツに貯まった雨水はもちろん、この時期は水道水がかなり冷たくなる場合もあります。

・肥料の与え方
この時期は、肥料は与えないでください。

株分けの方法

花が咲くような健全な株は、株分けして増やしてください。もちろん、株分けせずにより大きな鉢に植え替えることで、大株に育てることもできますが、大株は管理が煩雑になるので、株分けを勧めます。
用土は数多く栽培するのでなければ、ホームセンターなどで販売されている、シンビジューム栽培用の土を使用するのが良いと思います。

次の動画で、金稜辺(キンリョウヘン)の株分けの方法をご紹介しています。

それでは株分けの方法を説明します。切り花にした後、作業を行いやすくするため、作業前の1週間ほどは水をやらないでください。後の管理を考えて、葉が付いたバルブ2~4個ずつに分けます。バルブは昨年のもの一昨年のものその前の年のものといったように、繋がった状態で切り分けます。葉芽のないバルブもありますが、指で押さえて硬ければ、中に養分を貯蔵しているので、取り除かないでください。株分けしたら、それぞれ鉢の中央に今年の新芽が位置するように植えつけます。株分け直後に水をたっぷり与え、半日陰に1週間置きます。肥料は、株分け後1ヶ月経ってから与えます。

株分けは、花が咲き終わった後に、なるべく早く行います。時期が遅くなると、新芽の成長が遅くなり、来年の開花に影響することがあります。株分けは5月末までに行うとよいです。私たちは花が咲くとすぐに切り花にし、早い時期に株分けを行います。春以外の時期に株分けを行うと、株を傷める恐れがあるので、特に初心者の方にはおすすめしません。

病気、害虫

キンリョウヘン(金稜辺)は植物ですが、当然病気にかかります。また、害虫もおり、被害が発生することがあります。害虫、病気について簡単にまとめてみました。

・葉ダニ
体長約0.5mmで葉の裏に付き、汁液を吸収します。被害を受けた葉には、黄白色の斑点が付きます。乾燥状態にすると発生しやすいです。ハダニは水に弱く、散水すれば簡単に流し落とせます。

・カイガラムシ
体長2mm~5mmで、肉眼でもよく見えます。色は緑白色から褐色まで様々です。汁液を吸収するため、生育に悪影響を与えます。こびりついた成体はティッシュで拭き取るか、ハブラシでこすると簡単に落とせます。

・ナメクジ
花や新根を食害します。台の上で栽培することで防ぐことができます。

・アブラムシ
つぼみや花に寄生します。群生して汁液を吸うため、貴重な花に悪影響を与えます。発生したら取り除いてください。

・バイラス病
ウイルス感染によって引き起こされる病気です。有効な薬剤はなく、感染すると廃棄するしかありません。主な対策として、ウイルスは熱に弱いので、植え替えの時や、切り花を作る際に使用するハサミなどの用具をライターの火で加熱殺菌することがあります。

キンリョウヘンのよくある失敗 日焼け

7月中旬にキンリョウヘンを購入し、西日のきつい場所に置きました。水遣りは三日に一回。一ヶ月ほどで葉の先端から黒くなってきました。

水やりが少なく、直射日光が当たる場所においたため、日焼けしてしまったのでしょう。真夏は、毎日、できれば朝晩水をやってください。水をやるときも、周囲の温度が下げるため、周囲にも水を散布します。キンリョウヘンの栽培でよくある失敗は、日焼けです。日焼けをすると、次の動画のように葉が黒くなってしまいます。

日焼けの程度が軽く、残った緑の部分が多ければ、大きな問題にはなりません。動画の中のキンリョウヘンも、少し日焼けしている程度で、株自体にはそれほど大きな影響はないです。しかし、日焼けの症状が深刻だと、枯れてしまうこともあります。注意が必要です。

キンリョウヘンのよくある失敗 冬の凍傷

キンリョウヘンを屋外に置いていたら、急に寒くなった日に霜がおり、キンリョウヘンの葉がその後黒くなってしまいました

キンリョウヘンは開花させるために一度寒さを経験させる必要があるため、霜が降りる頃までは屋外で栽培します。
霜が直接当たらないように、軒下などに置いてください。

キンリョウヘンのよくある失敗 冬の温度管理

遅咲きの金両辺を早く咲かせようと、20度以上の所に置いておいたら、花目が痛んでしまいました

冬場にキンリョウヘンを管理する場合は、最低気温が14 度以下の場所に置く必要あります。最低気温が14度以上の場所においておくと、花芽が黒くなり、落ちてしまうことがあります。この失敗談も、この例に当てはまるでしょう。冬場は凍傷を防ぐため、室内に入れるのがよいですが、リビングなどの暖房がある環境では暖かすぎますし、乾燥しすぎます。玄関先など、外気との気温の差が少ない場所におきましょう。

初心者には、待ち箱ルアーがオススメ


2014年から、キンリョウヘンの誘引成分を合成した待ち箱ルアーが発売されています。これを用意すればキンリョウヘンを栽培する必要はもうありません。

ニホンミツバチの生態の学習、巣箱の作成など色々とやることがあります。ランの栽培経験がなく、ニホンミツバチも初心者の場合、キンリョウヘンをうまく育てて、分蜂時期にバッチリ合わせて開花させることは難しいです。

キンリョウヘンも高価ですし、初心者は待ち箱ルアーを利用した方が、結果的にお金も時間も節約できます。キンリョウヘンは、ゆとりができる2年目以降に取り組むのが良いでしょう。

キンリョウヘンの開花調整について詳しくは別ページで解説しています

キンリョウヘンは分蜂の開始よりも遅れて咲く傾向にあるので、開花の時期を分蜂に合わせる開花調整が必要です。

なかなかうまく行かない、キンリョウヘンの開花調整について別ページにて解説しています。

=> キンリョウヘンの開花調整の方法

キンリョウヘンに花芽がつかない場合、どうすればいいのか、別ページで解説しています

キンリョウヘンに花芽がつかない場合の対処方法について、別ページで紹介しています。

キンリョウヘンを栽培しても、花芽がつかない、開花しないことも多いです。そうした事態にどう対応すれば良いかについて説明しています。

=> キンリョウヘン(金稜辺)が開花しない、花芽がない時の対処方法

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